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あたらしい学びノート

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時代に左右されずしなやかに生きることのできる自分なりの価値観、創造力をどのように育んでいけばいいか、様々な視点からあたらしい学びの形をご紹介していきます。
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#学校教育

野生のクリエイティビティを育む―未来を生きる子どもたちに必要な「学び」とは?

未来を生きる子どもたちにとって、本当に必要な「学び」とはどんなものなのでしょうか? 今回は、新しい学校のかたちや、子どもたちのクリエイティビティを育む教育について、ミュージアム・エデュケーター会田大也さんにお話を伺います。 「新たな学校」が生まれている 突然ですが、近年、新しいタイプの学校や教育施設が増えてきていることをみなさんご存知でしょうか。そのひとつに、ビジネスの世界などでグローバルに活躍してきた人たちが創り出している新しいタイプの学校があります。象徴的な例としては、

シュタイナー教育&バウハウス教育に触れられるおもちゃ。

子どもの頃に親しんだおもちゃは永遠のもの。長きにわたって愛されるおもちゃには、STEAMな思考力や感性を引き出す鍵が潜んでいました。今回は、100年前にドイツで生まれ世界中に影響を与えた教育メソッド、シュタイナーとバウハウスに紐づくおもちゃを紹介します。 ―― 子どもの頃、大切にしていたおもちゃのことを覚えていますか? 積み木、ぬいぐるみ、またはライナスのセキュリティ・ブランケット(安心毛布)のように、クッションや毛布を大事に抱えていた人もいるかもしれません。 未就学児

「オタマトーン」開発者、明和電機・土佐信道さんに訊くモノ作りに必要な“学びの手法”

10代に捧ぐSTEAM教育にふれるためのブックリストをゲストが公開&指南。あたらしい時代のあたらしい学びを、とっておきの一冊から取り入れてみませんか? ーーー 電子部品材を製造する工場だった親の代の屋号を使い、アートユニット〈明和電機〉を“設立”した、土佐信道さん(noteはこちら)。魚をモチーフにしたナンセンスマシーン「魚器シリーズ」や、音符の形をした電子楽器「オタマトーン」など機械工学と音楽、アートを軽やかに結びつけ、独自の表現を追求し続けている。モノ作りには、STE

マンガで学ぶSTEAM教育のススメ。

マンガ大国ニッポンにおいて、最も誇るべきは作品数と多様性にあるといえるでしょう。歴史、スポーツ、SF、自然と生命、心の機微、あらゆることを「マンガから学んだ」という方は多いはず。筆者も無論そのひとり。マンガから得た学び・知識が、人生の礎を築いてくれたことは間違いありません。 「学習マンガ」がひらく、新たな世界の扉 マンガは学びの扉をひらく。 その思いに答えるかのごとく、2015年から「これも学習マンガだ!」なるプロジェクトが日本財団主催のもとで始動しています。これは歴史上

川田十夢さん「STEAM教育は拡張現実的発想を救ってくれる」

10代に捧ぐSTEAM教育にふれるためのブックリストを、ゲストが公開&指南。あたらしい時代のあたらしい学びを、とっておきの一冊から取り入れてみませんか? 科学(Science)、技術(Technology)、工学(Engineering)、数学(Mathematics)という理数系4領域の知識に加え、自由に創造し、表現する芸術(Art)の要素が加えたあたらしい学びであるSTEAM教育が注目を集めています。好奇心・探究心を発揮しながら、第一線で活躍する研究者、アーティスト、ク

クリエイターや研究者が実践する「おうちでできるSTEAM教育」後編

クリエイターや研究者の方々に、「自宅でできるSTEAMな学び」をお聞きした前編に引き続き、今回もさまざまなヒントが寄せられました。 ※CASE1~3は前編からご覧ください。 CASE4:  子どもは好きなことなら、どんどん学ぶ (武蔵大学 社会学部教授の庄司昌彦さんの場合)幼い頃からYouTubeなどに慣れ親しんでいる子どもたちにとって、動画作りはやはり人気な模様。武蔵大学 社会学部教授の庄司昌彦さんのご家庭では、子どもたちにタブレットを渡したところ、知らぬ間にプログラミ

クリエイターや研究者が実践する「おうちでできるSTEAM教育」前編

新型コロナウイルス感染症対策の影響により、自宅学習の機会が増えた昨今。 「子どもだけでじっと座っていられない」 「どう勉強させていいか分からない」 「ふと気づけば毎日ゲームやYouTubeばかり、これでいいの?」 巷のSNSには、そんな声が溢れています。そもそも、学習って何なんでしょう? 与えられたドリルや課題をこなすことだけなのか。学校ってどんな場所だったのか。こんな状況だからこそ、「学び」を考え直すチャンスかもしれません。 科学やテクノロジー、そしてアートの思考や感

打瀬小学校から始まった「家のような学校建築」の作り方 - シーラカンスK&H

1995年に建築事務所シーラカンスが設計した「千葉市立打瀬小学校」は、オープンスクール型の学校建築における先駆けだ。シーラカンスから改組後のシーラカンスK&Hも、学校関連の案件が全体の7割を占めるという。25年近く前に建てられ今なお小学校建築の指標とされる打瀬小学校と、そこから生み出された学校建築の役割と経験について、シーラカンスK&Hの代表のひとりである堀場弘さんに話を伺った。 堀場 弘 シーラカンスK&H株式会社代表取締役。東京都市大学建築学科教授。一級建築士。1983

山口県発、メディアリテラシー教育拠点〈YCAM〉がつくる「未来の当たり前」を、いま考える

© Yamaguchi Center for Arts and Media〈YCAM〉 テクノロジーがあらゆる進化を遂げるいま、これからの社会を生きる子どもたちの環境は、私たちが想像する以上にずっと、さまざまなメディアと付き合うようになっていくでしょう。そのとき、私たちは彼らに何を伝えていけばいいのでしょうか? “未来志向”の教育プログラムを提案するアートセンター 世界各地でテクノロジー教育が始まる昨今、日本で最先端のメディアリテラシー教育をリードする拠点が山口県山口市に

ユニークな子どもたちが集う場、“異才”を発掘する「ROCKETプロジェクト」

学校や塾に習いごと、毎日忙しい子どもたちにとって自分らしく生きられる「学び」とはどんなものなのでしょうか?今回は、ユニークな子どもたちの個性を活かす「異才発掘プロジェクト ROCKET」を推進する、東京大学の中邑賢龍先生にお話を伺います。 中邑賢龍 (なかむら・けんりゅう) 1956 年、山口県生まれ。東京大学先端科学技術研究センター人間支援工学分野教授。既存の学校になじみにくい個性豊かな子どもたちを集め、その個性を伸ばすことを目的とした「異才発掘プロジェクトROCKET」

ぼくらはみんな「ハッカー」だ〜プログラミング教育と21世紀を生き抜くマインドセット〜

2020年から始まる小学校でのプログラミング教育必修化で、子どもたちの「学ぶ」はいかに変わっていくべきか? そして、これからの情報環境を生きる彼らに必要なマインドセットとは何か。デザインイノベーションファーム・Takramのディレクターを務める緒方壽人と、15年以上にわたってメディアリテラシー/美術教育を手がけてきたミュージアムエデュケーターの会田大也が語る。 左:緒方壽人(Takram) 右:会田大也(ミュージアムエデュケーター) 「プログラミング的思考」は役に立つ