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話題のSTEAM教育って、そもそもなんだろう?

昨今、アメリカから広まった教育指針「STEAM」が注目を集めています。

STEAMとは、科学(Science)、技術(Technology)、エンジニアリング(Engneering)、芸術(Art)、数学(Mathmatics)の頭文字を取った造語のこと。近年のAIやロボティクスなどテクノロジーの発展を背景に、従来の教育とは異なるアプローチで科学技術やアートから生まれる力を育んでいこうとする方針が各所で採用されています。日本でも2018年に文部科学省が発表した新たな教育指針(「Society5.0に向けた人材育成 ~社会が変わる、学びが変わる~」)でSTEAM教育を大々的に打ち立てています。

とはいえ、科学、技術、エンジニアリングと冒頭に並ぶ言葉をひと目見て、「理系は苦手」と感じた人も多いのではないでしょうか。ド文系だった筆者も、かつてはその一人でした。数式を覚えて方程式をひたすら解く数学、何のためにいつ使うのかわからない物理、元素記号を覚えるのでやっとの化学……「理系科目」にこんなイメージを持った方もいることでしょう。

ですが、それは過去の話。AIの時代ともなれば、これからの子どもたちは、プログラミングなどを学んで、ロボットもゲームソフトも自由自在につくれるようになるはず。英語とプログラミングが必修化されるいま、全国各地でプログラミング教室などが展開されています。

では、そこで学ぶプログラミングとは、また新たにコンピュータ言語を覚えていくことなのでしょうか? いまは、ゲームのように遊んで楽しめる教育用プログラミングアプリもたくさん開発されていますが、注意深くお子さんを観察してみてください。果たしてかつての自分のように、ただ算数ドリルを解くかのごとくプログラミングを学んでいるのか。はたまた「ゼロから何かをつくりだそう」として、アイデアを練って、試行錯誤を凝らしているのか、を。

過去に取材した対談で、〈Takram〉の緒方壽人さんは、「プログラミングとは、“構想しながらつくる”というプロセスを経験すること」だと語っていました。それは同時に、「ものごとを体系立てて組み立てる力」とも言えるかもしれません。ものごとを進める上で、「順序(order)」や「体系(system)」を考える。失敗したら何度でもやり直してつくり変えれる。これはコンピュータ上の話だけではなく、あるチームの中で、メンバーそれぞれに役割を与えて目的を達成することや、複雑なモノをつくろうとするときにも活きるでしょう。

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さらに、STEAMは、はじめSTEMと呼ばれていました。そこに近年「ART」が加わったのはなぜだと思いますか? 先述した文部科学省の方針には、「科学的に思考、吟味し活用する力」を養うことのほかに、「価値を見つけ出す感性と力、好奇心・探求力」が重要だと書かれています。その感性や好奇心は、子どもたちの中から(もちろん大人の中からも!)自発的に生まれてくるものであり、教科書や教育アプリには書かれていません。

子どもはいつだって遊びのクリエイターです。そこに、どんな好奇心を持ち、どんな楽しみや価値を見出すのか。すでにある価値ではなく、自分だけの価値をつくりだすこと。そのために、ものをつくりだす思考力を身につけること。それが「STEAM教育」なのかもしれません。それは大人にとっても同じこと。かつては苦手だった理系科目が、角度を変えてみれば、この世界の謎や神秘に迫るワンダーランドになるかも? 本連載では、そんな大人も子どももワクワクするSTEAMの世界をお伝えしていきます。


塚田有那(ARINA TSUKADA)

編集者、キュレーター。世界のアートサイエンスを伝えるメディア「Bound Baw」編集長。一般社団法人Whole Universe代表理事。2010年、サイエンスと異分野をつなぐプロジェクト「SYNAPSE」を若手研究者と共に始動。16年より、JST/RISTEX「人と情報のエコシステム」のメディア戦略を担当。近著に『ART SCIENCE is. アートサイエンスが導く世界の変容』(ビー・エヌ・エヌ新社)、共著に『情報環世界 - 身体とAIの間であそぶガイドブック』(NTT出版)がある。大阪芸術大学アートサイエンス学科非常勤講師。
http://boundbaw.com/



Text : Arina Tsukada
Illustration : Lee Izumida

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